2014年3月30日日曜日

プログラマ35歳定年説勉強会を開催しました。 #DevKan



先日の土曜日に、プログラマ35歳定年説勉強会(Doorkeeper) を開催しました。

講演をお願いした仙石さん谷口さんのお二方のお話も素晴らしく、ディスカッションの時間には参加者の皆さんも熱心に議論してくださり、良い勉強会だったと思います。

内容や感想については参加者のどなたかが書いてくれると期待して、僕は主催者目線でこの勉強会を振り返ってみたいと思います。

そもそも、この勉強会を企画した動機は、自分自身が今35歳という年齢をオンタイムで生きていることにつきます。

20代が終わって、30歳になった瞬間には特になんの感慨もなかった僕ですが、去年の9月に35歳になった瞬間は何やら色々なものが重くのしかかったような気がしました。

それは、若い頃から「35歳定年説」を聞かされてエンジニア人生を送ってきた刷り込みのようなものが原因だったのかもしれません。

32歳のときに、僕は当時勤めていたSIを退職し、今の会社に来ました。Excel方眼紙と向かい合い、徹夜で見積もり資料を作ったり、オフショアからの成果物をチェックしたりと、このままでは「プログラマ」と名乗ることは永遠にできなくなると危惧した僕は、今の会社に入り、幸い35歳を迎えた今でも毎日Scalaでプロダクトコードを書き続けています。

では、今の会社でこのままプログラマとしてコードを書いていけるかというと、そう簡単なものではありません。

今年に入って組織変更があり、上司が新しくなり、僕は日々、「お前もそろそろマネジメントを覚えるべし」という圧力にさらされています。今の開発プロジェクトではリーダーというポジションに置かれ、会議の出席やらスケジュール管理などでコードを書く時間は以前より減りました。

そんな状況にあって、世の中の35歳という時を生きているエンジニアの皆の話を聞きたい、というのが、この勉強会を主催した意図でした。

ただ、この勉強会は企画当初から大きな矛盾をはらんでいる事は認識していました。

それは、「こんな休日にわざわざ勉強会に来て議論するような人間は、そもそも自力で35歳定年説など克服することができるはずである」ということです。

勉強会後の懇親会で、ある人がこんなことを言っていました。「この勉強会におけるディスカッションが本来の意味で成功、となるには、35歳定年を克服できる人間と、それに抗えない人間がお互いに怒号を飛ばし合うことであるはずだ」

これはある意味で真理です。今回の勉強会は、実際には「35歳定年説など信じていない人達が、その正体が実はなんであるのかを探りにくる会」でしかなかったといえます。

ただ、それはそれで良かったのだと思います。少なくとも、いくつかの問題提起はできたはずだし、参加者の皆さんもなにかを持ち帰ることはできたでしょう。

僕自身、1人で悶々と35歳定年について悩んでいるだけでなく、様々なコンテキストの人の考え方に触れることができて少し気分が楽になりました。

僕自身があの勉強会で得た結論はあえてここには書きませんが、この勉強会が参加者の皆さんのエンジニアライフに何かをもたらすことができたのなら、嬉しいです。