2013年3月9日土曜日

今度のhoge駆動はなぜ再演なのか?

2013年最初のhoge駆動イベントの募集がはじまりました。

ステーキ駆動 - なるほど!ザ・春の再演スペシャル! あのステキな発表をもう一度

今回は少しいつもと趣向が違って「再演スペシャル」です。基本的にこのイベントで登壇者が発表する内容は、以前にどこかの勉強会でやった再演に限定する、というルール。

つまり、みんなの自信作、鉄板ネタが持ち寄られるはずだから、全発表バカウケ間違いなし、まさに、スベらない勉強会!!

というのはまぁ、半分冗談なんですが、なぜ僕が今回再演イベント面白そうだなーと思ったのか、その理由をちょっと書こうと思います。

コミュニティ活動に熱心なITエンジニアはいろんなところで発表機会があります。しかし、たいていはどれも一発勝負です。まれに、懇親会で飛び込みLT大会なんかがはじまって過去のLTネタを引っ張りだしてやったりする場合はありますが、やはりそれもレアケース。

一発勝負というのは少しもったいないなーと思うのです。

僕は、去年1年間と、今年のScalaカンファレンスとで、『乙女ゲームを支える技術』という発表をあちこちの勉強会で披露しました。勉強会によって枠の時間が違ったり、play勉強会とscala勉強会では内容の比重をそれぞれ向けに少し倒したりとアレンジは毎回変えていますが、たぶん6, 7回くらい、同内容の発表をしました。

毎回新作を作ることもできますが、僕は意図的に去年1年かけて、同じ発表をし続けました。毎回、顔をあわせるような勉強会の常連さんからは、「もうそろそろ、だいくしーさんの新作見たいです」と言われたりもしましたし、そう言ってくださる方には申し訳ないのですが、これは自分なりのチャレンジだったのです。

去年一年間は、新しい会社に入社した直後だし、せっかくScalaとかplayとか、面白い技術を使って、乙女ゲームという面白いサービスを作っているのだから、それのブランディングをしたいと考えました。

ひとつの勉強会に50人が集まるとして、一発勝負だと僕の発表が届くのは50人です。それを5回続けると、250人にまで拡がります。もちろん、聞いてくださる人には重複している人もいらっしゃるでしょうから、単純に250人ではないでしょうが。しかし、発表者としては同じ発表の繰り返しであっても、それを聞くほとんどの人にとっては「最初で最後の1回」なわけです。その意識を持ち続けて同じ発表を繰り返すことも、なかなかしんどいチャレンジでした。

発表者的にも再演はいろいろなメリットがあります。同じ発表でも、その時々で、ウケるポイントとか、反応が全然違ったりします。
同じ発表を、それぞれ異なる雰囲気の勉強会で、クオリティのブレなく繰り返すというのは、物凄く難しいことで、この1年で場の空気を読みながら発表の間の取り方とか、話し方を変える、というスキルを身に付けることができました。

僕自身が「再演」でいろんな得がたい経験をしたので、みんなもプレゼン力を鍛えるためにやってみるといいよ、と思って企画した「再演スペシャル」。ぜひチャレンジしてみてください!!

2013年3月3日日曜日

Scalaカンファレンスで熱気を感じた話 #scalaconfjp

3/2 土曜日に開催された Scala Conference in Japan 2013 に参加してきた。

僕が勤めている会社が、本カンファレンスでスポンサーをさせていただいた事もあり、乙女ゲーム開発の事例紹介を発表する機会も貰った。

そこで感じたいくつかのことをまとめておきたいと思う。

■お祭り感がすごかった
今回、このカンファレンスに参加した人みんなが感じたことだと思う。
懇親会の後、@mumoshuさん、@takashima0411さんとも自由が丘の焼き鳥屋で興奮冷めやらず、同じようなことを語り合っていた。
とにかく、お祭り感というか、熱気がすごかった。

これまで、Scala使いが抱いていた、こういうお祭りへの希求とか、フラストレーションとか、そういうのが一気に爆発した感じ。
僕は「10年前のJavaの熱気」とか「Seasar全盛期の勢い」とかは体感していないのだけれど、ソフトウェア開発者として、こういう熱気の渦中に混ざることができて、とても幸福で幸運だと思った。

■紛れもなく、その日の日本のScala界の中心はあそこだった

ブログとか、Twitterとか、雑誌記事とか書籍とか、おおよそScalaという言語を日本でウォッチしていて目にしてきた人たちが、ほぼ全員あそこにいた。

これまで、Scala勉強会とか、そういうものを開催して、50人くらいの人が集まることはあった。けれどそういうところで出会う人達というのは、「Scalaに興味がある」とか「Scalaをこれから学びたい」という人達だった。もちろん、そういう人に集まってもらう意図で開催していたりするし、そういう人達と出会ってコミュニケーションをとることはとても大切なことなのだけれど、実際にScalaを使って仕事をして、同じような悩みを乗り越えてきた人達があれほど集まる場はかつてなかった。

自分たちが悩んだり乗り越えたことを、みんなも同じように乗り越えてきていて、そういう情報とか、感覚とかをあれだけの人数とともに共有できたのは凄い経験だった。

特に、ドワンゴの@mtgtoさんの発表はPlay2+Scalaという自社と同じ構成で、共感できることがとても多かった。どうしてもお話したくて、懇親会の最後で少しだけ声をかけさせてもらい、テストの話とか、今自分たちが自社の開発で悩んでいることについて話を聞けたのはなによりの収穫だった。どうもありがとうございました。

■土佐さんの発表がすごかった。

個人的に今回のカンファレンスのベスト発表は、プレゼン力という意味ではJames Roperさんの超絶ライブコーディング( & IntelliJステマ)。そして内容は土佐さんの発表だった。

三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社、というお固い銀行系のシステムでのScala事例。これはこのカンファレンスの規模と内容だからこそ実現できた発表だと思う。

プログラム言語が普及するためには、ぼく個人としては、やはりNTTデータさんとか、富士通さんとか、日立さんとか、そういう"ITベンダー"と呼ばれる会社が手がける開発での導入と、そのプロジェクトでの成功が必要だと思っている。

そしてそういう会社の案件で導入されるということは、銀行とか、商社とか自治体とか、そういうところをターゲットとしたシステムで利用されるということだ。

ぼくもScalaという言語を普及するために、去年からいろいろなところで自社の事例紹介を発表してきた。しかし、いくら乙女ゲームの開発事例を紹介したところで、実際に導入した後の人達には参考になっても、これから導入しようとする人々の後押しにはならないのだ。

「フリューさんの発表面白かった。やっぱりWebアプリの開発はある程度自由にやれるんですね。羨ましいなー」そういう感想を何度も頂いた。業務系の現場で、実際にScalaを導入してもらうためには、乙女ゲーの開発事例ではダメなんだ。

そんな中、土佐さんの発表はひとつの楔を打ち込んだ発表だったと思う。懇親会でも土佐さんは、「自分はそういう役回りだと自覚して今日の発表にのぞんだ」とおっしゃていた。本当に素晴らしかった。

■ぼくの発表のこと

ぼくも自社のスポンサー枠でのセッションで、事例紹介をしてきた。




「乙女ゲームを支える技術」のファイナルエディション。
Play勉強会とか、Scala勉強会、関数型言語勉強会など、あちこちでお話してきたこの内容も、今回のイベントで一巡した感があるので、最後にしようと思う。

毎回、お話を聞いてくださった人から嬉しいフィードバックをたくさん貰った。
懇親会である方から「だいくしーさん、もうそろそろいいのでは?」とのご意見ももらったけどw

次に発表機会をいただけたら、次は新作を用意しようと思う。

■最後に

他にも、会社の同僚であり、本カンファレンスの衝撃の個人スポンサー@mumoshuさんのLTとか、いろいろありすぎてすべてをここには書ききれないけれど、本当に素晴らしいカンファレンスだった。もし、次もあるなら必ず参加したい。

スタッフのみなさん、どうもありがとうございました!!

P.S.
ぼくはなぜ『scala逆引きレシピ』を持って行かなかったんだ。。。竹添さんにサインをいただくチャンスだったというのに。。。。。。