いつ頃から、勉強会とか、社外活動を始められたんですか?
きっかけはなんだったんですか?
自分自身の振り返りの意味も込めて、一度それについてきちんと書いてみよう。
最近、SIerがあらゆるところでdisられているが、おおむねそこで論じられているような理由から、当時のぼくも仕事に対して閉塞感を抱いていた。
ITエンジニアという仕事に対する考え方について、それをライフワークとする人と、完全にお仕事と割りきっている人と、おおまかに分けて考えた場合、当時のぼくはどちらかと言えば後者に近いマインドだったと思う。その時に勤めている会社は3社目だったが、わりと真剣にその会社で定年を迎えるだろうと漠然と考えていたし、出世的な部分も意識して、「いわゆるサラリーマン」的なマインドで仕事をしていた。
しかし会社の業績は他のSIerと同様芳しくないし、手当やらなんやらは削減されるし、お昼休みにはオフィスの照明を切るべし、みたいな、エコを建前とした経費削減のお達しが出るしで、いかんともしがたい閉塞感に苛まれていた。
当時所属していた部署は、割りと自由な風土だったこともあり、なにかこの閉塞感を打破しようといろいろと行動に移すことにした。
部門の風土もあって、そういった試みに何人か賛同してくれる人もいて、いろいろなチャレンジをした。
具体的にどういう事をすれば、閉塞感を打ち破れるのかは分からなかったけれど、とりあえず前向きになれそうな、楽しそうな事は思い付く限りなんでもやってみようと思った。
Redmineのような新しいツールを導入してみたり、社内SNSを立ち上げてコミュニケーションの活性化をはかってみたり、新規事業の企画書を書いて会社に提出したり。
Twitterを始めたのも、ちょうどこの頃だった。相変わらず閉塞感はあったけれど、それなりに仕事は楽しかった。
ただ、そういった社内での活動と並行して、そろそろ会社に依存しない生き方を模索するべきだとも考えていた。将来のキャリアを想像した場合、当時の会社内で出世をしたり、定年まで働く、というルートに対して現実感を持てなくなっていたからだ。
サラリーマンというマインドではなく、エンジニアというライフワークを満喫するような、そういう生き方をしよう。そう思った。
しかし、どうすればそういう生き方ができるか分からない。とりあえず、会社という閉ざされた世界に篭るのではなく、外に出てみよう。そう思ってエンジニアライフのコラムニスト募集に申し込んだり、勉強会に行くようになった。
初めてのコミュニティデビューは2010年の9月。エンジニアライフのオフ会だった。
そこではじめてLTをした。
いろいろなフィードバックをもらえたし、友人も増えた。これ以上ないほど明確に、自分の世界観が変わった瞬間を実感した。
とりあえず、LTというものが楽しかったから、そういう機会を探して積極的に活動をはじめた。LTという文化は、手を挙げさえすれば、資格も何もなくてもやらせてもらえる素晴らしい文化である。そういう文化のおかげで、いろいろなところに出ていくことができた。
ぼくは、別にずば抜けた才能やスキルを持っているわけではないが、継続して活動を続けていると、いろいろな人に顔や名前を覚えてもらえるようになる。そうするといろいろな会に呼んでもらえたり、人を紹介してもらったりするようになる。こうして世界がどんどん拡がっていった。
2011年の4月に、部門異動があった。
それまで、社内でいろいろなチャレンジをしていた仲間と、違う部門の配属になった。
その部門は、どちらかといえば規律を重んじるリーダの率いる部門だった。
Twitterの発言がモラルに欠ける、と会議室に呼び出されて怒られたり、そういったことを考課に反映してぼくの評価を下げる、というな議論が起こったりした。
社外活動の前向きな部分はちっとも評価されないのに、そういうマイナスのフィードバックばかりがやけに具体的に寄せられる。
正直、その息苦しさに耐えきれなくなり、転職を決意した。
転職を目的として社外活動をしていたわけではないが、結果的に社外活動の成果は転職活動にとってプラスに作用した。
会社に依存せずに生きていく、という当初思っていた方向性は、その意味で間違っていなかったといえるかもしれない。
いろいろな活動をしていて思ったのは、人生にとって最も重要なのは、人間関係なのかもしれない。いろいろな人との出会いが、自分の世界を拡げてくれたし、生活を豊かにしてくれている。
ぼくにとっての社外活動とは、そういう人間関係を多方面で構築すること、というのが今の認識である。
はじめてたかだか1年半ほどだけれど、たくさんの友人と巡り会えたし、人生は間違いなくより豊かになったと思う。
何かをはじめるのに遅すぎるということは無いので、社外活動に対して興味はあるけど踏み出せない、という人は、恐れずに踏み出すべきだと思う。
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