Wordだったり、Excelだったり、西暦2000年代という時代において富士通のOASYSで設計書を書かされたこともある。
そんな中、もっとも奇っ怪なのは、やはりExcelで記述されたドキュメントであろう。
本来、表計算ソフトであるはずのExcelが、現場でどのような使われ方をされているのか。筆者の経験した、奇妙なExcelドキュメントのいくつかをご紹介したいと思う。
■Excel方眼紙
いわずとしれた、SI業界の伝統的手法。Excel方眼紙である。
いまやマイクロソフトの公式Tipsにも登場し、Mac版Excelでは標準のテンプレートとしても採用されているトンデモExcel界の巨人。筆者も毎日現場でこれと格闘している。
Excel方眼紙はその応用力の広さが半端ではない。
例示した図のように、クラス図はもちろんのこと、ER図、DFD、ユースケース図など、あらゆる図表を記述することができる。
ここに、「セル結合」というテクニックが加わることで、カオスさはさらに増幅され、エントロピーの増大はもはや誰にも止められなくなる。
筆者は以前、Excel方眼紙でシーケンス図を書かされる、という恐怖のドキュメント規約を目の当たりにし、設計工程の工数見積もりに苦心した記憶がある。
あの案件は、失注してくれて本当に良かったと心の底から思っている。
■Excel原稿用紙
なぜ、Wordの原稿用紙テンプレートを使わないのか?
これを編みだした人物は、おそらくデスマーチに追われ、まっとうな精神状態ではなかったのではなかろうか。
1セルにつき1文字、という常軌を逸したドキュメント。もはやコンピュータを使う意味すら放棄している。
このような記述は現実に存在するはずがない、と読者もお思いだろう。だが、このような例は現実の開発現場で存在する。
具体的な例としては下記のようなパターン。
そう! ホスト帳票の設計書なのだ!! 「プルーフファイル」などと呼ばれることもある。
COBOLerたちは上記の設計書を見ながら、
05 PRINT-RECORD PIC X(42).
10 KAISYA-CODE PIC X(5).
10 FILLER PIC X(2) .
10 KAISYA_NAME PIC X(11).
などとPICTURE句を記述するのである。
だからといってなんで1セル=1文字である必要があるのか……。
設計書にPICTURE句の定義をそのまま書けば良いではないか……。
この問いを考え始めると、宇宙の深淵を考えるのと同じくらい、眠れなくなるので、考えぬほうがよかろう。
■Excel画用紙
先日Twitterでつぶやき、歴代記録に迫る勢いのRT数を記録した問題作。
それがExcel画用紙である。
このフォーマットに関して、筆者の言いたいことは一言だけである。
……バカなんじゃないだろうか。
■Excelあqwせdrftgyふじこl
このExcelだけは、なんと命名すればいいのかもわからない。
もはや人知が及ぶ領域を超越している。
他の惑星からきた超文明を保有する宇宙人が書き残した、オーパーツなのではなかろうか。
このシートの謎が解き明かされるとき、人類は滅んでしまうのではなかろうか。
それが、これである!
セルの幅が画面に収まっていない!?
スクロールバーを横にずらすと、その隣のセルが画面の左端に位置するので、このセルの右端は永遠に見ることができないのである。
いったい、先人はどのような理由でこのようなものを残したのか?
なにかの暗号であろうか?
どなたか、このセルに名前をつけて謎を解いてはくれまいか。
世の中には、人間の認識では把握しきれない、様々な謎があるものである。
願わくば、あなたのドキュメント人生が、このような奇っ怪なものに邪魔されることなく、豊かなものであらんことを……。
■追記
最後のExcel。Twitterで「Excel京都銀行」と命名していただきました。
元ネタはこちら→http://www.youtube.com/watch?v=B4-gFE-liXE&NR=1
@backpaper0 さん、ありがとうございます!!
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