2013年1月2日水曜日

他人のレベルが低いと思うのなら、自分の物差しのサイズをまずは疑え

どういう流れかよくわかってないのだけど、なにやらTwitterのタイムラインで大企業をdisってる感じのツイートを見かけたのだけど、これについて言いたいことがある。

IT業界で仕事をしていると、時々こういう場面によく出くわすんだよね。

「元請けベンダーが仕事してない」
「オレはITゼネコンで働いてるやつらより仕事できるはず」

その気持ちはすごくよく分かる。でもちょっと待って欲しい。
本当に君から見たその人達は、レベルが低い人なのか?

ひょっとしたら、自分の物差しが、その人のサイズを正確に測れるレベルに達してないだけなんじゃないか?

なぜ、そんな事を言うのかというと、僕自身が自分の物差しのサイズを強烈に意識した経験があるからだ。

僕は新卒で、社員20人ほどのITの会社で働いていた。仕事のほとんどは、特定派遣だ。
客先に常駐して、ITベンダーの指示に従ってシステム開発の末端に従事する仕事。

そこでは僕は「優秀な人」という評価を得ており、正直調子に乗っていた。

ITゼネコンと呼ばれる、大きな会社で働くSEよりも、自分はうまく仕事をやれる。だって現場では、高評価を得ているじゃないか。

そしてしばらくして、僕は転職することになる。ITゼネコンとまでは言わないまでも、社員500人ほどの中堅SIだ。

そこで働きはじめた当初、僕は自分のスキルがまったくここで仕事をするレベルで無いことを思い知る。

客先に常駐して、常駐先企業が受注した仕事のプログラムを組むことと、エンドユーザと相対して、自分たちで成果責任を負って開発を進める仕事では、必要なスキルや、やるべきことが大きく違う。

僕がかつて、「レベルが低い」と思っていた人たちは、僕の物差しで測れる範囲ではなく、もっと違う次元で戦っていたのだ。

立場が変われば観測される世界は異なるし、その世界のサイズを測るための物差しの種類も変わる。

自分の物差しで、あるサイズを測って、「この物体の幅は狭いなー」と思っても、実はその物体はとてつもなく縦方向に長い物体で、自分の物差しはその高さを測れないから最初から目に入らない。そういうことが世の中にはたくさんある。

大企業の人がレベル低いとか絶対に無いって。
大学入試とか、就職活動とか、そういう時点から勝ちを積み重ねた人たちなんだから。

そういう人を安易にdisってしまうと、自分の懐の狭さをさらけ出してしまうだけだと思うんだ。それはとっても恥ずかしいことなんだよ。

僕もたまにdisっちゃうことあるけどね。

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