2013年2月3日日曜日

SIを卒業して1年経ったので振り返ってみる

2月1日で、転職してちょうど1年が経ちました。

受託開発なSIの世界から、コンシューマ向けの開発をする事業会社に転職して1年間過ごしてきたわけですが、正味のところどうだったのか、ちょっと振り返ってみたいと思います。

■転職理由はすべて叶えられたか?

僕が転職を決意したのは、以下の様な理由からでした。

・キャリアとか、収入とか、もろもろ含めた将来への不安

僕が転職を決意した頃のSIer界隈に漂う閉塞感は凄まじいものがありました。SIといってもいろいろな事業領域がありますから、あくまでも僕が携わる範囲の話ではありますが、ぶっちゃけ給料は下がりましたし、その影響で自動車を手放したりしました。
っていうか、いつまでリーマン・ショックががが、とか言ってるのかと。

・会社員ではなく、エンジニアでありたかった

SIの閉塞感、という話にも関連しますが、会社に依存する生き方では幸せになれないな、と思うようになりました。社外の勉強会やコミュニティに参加することで、その思いはより強くなりました。
フリーになる、とか起業する、という選択肢は自分には今のところないのですが、世の中が変化した際に、それに合わせて自分の立ち位置をフレキシブルに変えられる生き方をするのが、幸せになれるポイントかな、と思うようになりました。
そのためには、僕個人のバリューを高める必要があります。
自分がエンジニアとして高いレベルに成長するには、高いレベルのエンジニアたちが集まる場所で戦う必要がある、と思いました。
勉強会でレベルの高い人たちと関わって、刺激を受けるうちにそれをより強く確信しました。勉強会で刺激を受けているだけではダメだ。仕事という、一日のうち多くの時間を費やす場所で、こういう人たちと関わっていなければ、と。

・コンシューマを相手に仕事をしたくなった

これは完全に自分の趣味の問題なのですが、もっとマスの大きい仕事をしたいなと考えました。受託開発であっても、エンドユーザと直接やりとりをする仕事は楽しかったのですが、そのエンドユーザがもっと大勢いたらさらに楽しいのではないか、と思ったのです。
Twitterやブログなどで、多くの人から反応があった時の気持ちよさを仕事でも味わいたい、とも思いました。

⇒ 今のところ、上記の希望はすべてかなっています。

乙女ゲーの開発に携わることで、今までとは比べものにならないほど大勢のユーザさんに自分の作ったゲームで遊んでもらっていますし、チームのメンバーはみんな高いレベルで仕事をしていますし、収入も増えました。

■ 勉強会やコミュニティ活動について

転職してからの1年間で、自分の価値観やライフスタイルに決して小さくない変化がいろいろありましたが、最も考え方が変化したのは、勉強会やコミュニティ活動についてです。

以前まで、僕にとって勉強会は映画館のようなものでした。
休みの日に出かけて、ファンタジーの世界に触れて、気分がよくなって現実に戻る、というそんな感じ。
自分もスクリーンの中に入りたくて、発表したり、記事を書いたりもするのですが、やはりそこは日常とは少し切り離された世界である、という感覚でした。

そうして活動を続けているうちに、いつしか懇親会などで「お会いしたいと思ってました」とか「おお! 本物のだいくしーさんだ!」とか言ってもらえるようになりました。

去年の11月。DevLOVE関西で登壇する機会をいただき、自社の開発事例を発表しました。そのときにふと感じたことがあります。

2010年3月のOSC神戸。そこでいくつかのセッションを見た時、そこで登壇するエンジニアは雲の上の人でした。ああいうところで発表するエンジニアは、どんな人たちなんだろう。どんな世界が見えてるんだろう。
これが、僕が社外活動に参加しようと思った原点です。

DevLOVEという大きな勉強会で、50人の人の前で40分も喋っている。OSC神戸で自分が憧れたあっち側に、今まさに立ってるじゃないか。

去年1年、いろいろなことがありましたが、これは自分の中ですごく大きな出来事でした。

僕にとって「映画館」だった勉強会は、いつしか日常と地続きになっていたのです。

日常と地続きで社外活動をするためには、仕事においてもエンジニアとして充実していたほうが楽しいに決まっています。去年はいくつかの勉強会で、自社の事例紹介などもさせてもらいましたが、職場と、外の世界との地続き感は今後もこだわっていきたいと思っています。

■次の1年

この1年、Scalaとか、Playframeworkとか、アジャイルとか、とにかく未経験のことばかりでした。ようやく日常の業務もそつなくこなせるようになってきましたので、そろそろプラスアルファを考えたいな、と思っています。

一時は、勉強会参加を少し控えて、軸足を会社業務に大きく移そうかとも思ったのですが、そこはやはり両輪バランス良くやるほうがいいな、と考えを改めました。

個人的にはエンジニアとしての地力を鍛えつつ、社外でも何か去年の鹿駆動並に面白いことができたらなー、と思っています。

今年もよろしくお願いします。

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